コンビニで印刷できるもの
コンビニエンスストアのマルチコピー機には、スマートフォンやパソコンから登録したファイルを、店の機械で印刷できるサービスがあります。この記事では、公式の案内を確かめられた次の2つを取り上げます(2026年10月12日時点の公式ページ)。
- ネットプリント(富士フイルムビジネスイノベーション):セブン‐イレブンのマルチコピー機で印刷します。
- ネットワークプリント(シャープマーケティングジャパン):シャープのマルチコピー機がある店(料金表があるのはファミリーマート・ローソン・ミニストップ・ポプラグループ)で印刷します。
どちらも、ファイルを登録すると番号(またはQRコード)が発行され、それを店の機械で使って印刷する流れです。このサイトのテンプレートで作るものは、次のように印刷します。
| 作るもの | 使うファイル | 用紙 | 印刷のしかた |
|---|---|---|---|
| 4ページの小さな旅行記 | A4面付け版から書き出したPDF(A4横・2ページ) | 普通紙のA4 | 両面・短辺とじ・原寸 |
| A4旅ポスター | ポスターから書き出したPDF(A4縦・1ページ) | 普通紙のA4(ネットワークプリントはA4の光沢紙も選べる) | 片面・原寸 |
旅行記を家で印刷する場合の考え方は4ページ冊子を家で印刷する方法、ポスターの作り方は旅ポスターの作り方で説明しています。ここでは、コンビニで印刷するときに違うところを中心にまとめます。
このサイトで確かめたことサービスの仕様と料金は公式ページで確認しましたが、マルチコピー機の画面での操作と、実際に印刷して折った仕上がりは確認していません。機械の種類や店によって、使える用紙や表示が違うことがあります。本番の前に、必ず試し刷りをしてください。
2つのサービスの違い
公式ページで確認できたことを並べます。料金や仕様は変わることがあるので、使う前に公式の案内を確かめてください。
| 項目 | ネットプリント | ネットワークプリント |
|---|---|---|
| 印刷する店 | セブン‐イレブン | シャープのマルチコピー機がある店 |
| 登録できるPDF | PDF(版1.3〜2.0) | PDF(版1.3〜1.7)を「文書プリント」で |
| 1ファイルの大きさ | 10MB以下 | 10MBまで |
| A4の用紙 | 普通紙 | 普通紙・光沢紙(店に備え付けのもの) |
| 両面印刷 | 普通紙でできる。長辺とじ・短辺とじを選べる | 文書プリントでできる(店の機械で設定)。とじ方向の選び方は公式の文章では確認できず |
| 拡大・縮小 | 原稿とA4の用紙が同じ大きさなら拡大縮小しない | 登録のときに「原寸で印刷」を選べる |
| 印刷されない範囲 | 用紙の周辺約5mm | 用紙の上下左右それぞれ約5mm |
| 登録したファイルの期限 | 登録なしで使う場合:予約日+1日/ログインして使う場合:予約日+30日 | 会員登録なし:8日間/会員:1〜30日間 |
| A4カラーの料金(1面) | 60円(税込) | フルカラー60円(料金表に税の表記なし) |
ネットプリントでは、両面印刷は表と裏で2面分の料金になると案内されています。ネットワークプリントの料金表でも、両面印刷は1枚の用紙で表裏2ページ分の料金と書かれています。
手順1 印刷するPDFを用意する
マルチコピー機で印刷するのは、テンプレートの編集用ファイル(PPTX)ではなく、写真と文字を入れてから書き出したPDFです。
- 旅行記は、A4面付け版の
mini-book-4p_edit_A4-print.pptxを編集して、PDFに書き出します。1ページ目が表面(左P4・右P1)、2ページ目が裏面(左P2・右P3)の、2ページのPDFになります。 - ポスターは、
travel-poster_edit_A4.pptxを編集して、A4縦・1ページのPDFに書き出します。
PDFにする理由は3つあります。
- ネットプリントは、Office互換ソフト(OpenOfficeなど)で作ったファイルをサポート対象外としています。このサイトでテンプレートの編集を確認したのは LibreOffice Impress 24.2 なので、PPTXのまま登録せず、PDFにしてから登録します。
- ネットプリントは、フォントを埋め込んだPDFを使うと文書をより正確に出力できると案内しています。PPTXのまま登録すると、店の機械にないフォントが別のフォントに置き換わり、改行の位置が変わることがあります。
- ネットワークプリントでも、Officeファイルでレイアウトが崩れたときはPDFにしてから登録すると解消する場合がある、と案内されています。
書き出したら、PDFを開いて次のことを確かめます。
| 確かめること | 旅行記 | ポスター |
|---|---|---|
| 用紙の大きさと向き | A4横 | A4縦 |
| ページ数 | 2ページ(表面・裏面) | 1ページ |
| 写真の枠 | 淡い青の「写真を置き換える」が残っていない | 同じ |
| 文字 | 枠からはみ出していない・欠けていない | 同じ |
| ファイルの大きさ | 10MB以下 | 10MB以下 |
PDFが10MBを超えたとき
写真を大きいまま入れると、PDFが10MBを超えることがあります。どちらのサービスも1ファイルの上限は10MBです。
- 書き出すときに、画像の圧縮や解像度を下げる設定があれば使います(設定の名前と場所はアプリによって異なります)。
- 写真を入れる前に、写真のファイルを小さくしておく方法もあります。小さくしすぎると、印刷したときにぼやけます。A4ポスターの写真の枠(180×205mm)は、300ppiで計算すると約2,126×2,421ピクセルです(計算の一例)。考え方は印刷前の写真チェックで説明しています。
ネットプリントでは、PDFを登録するときに、そのPDFをプリンターが正しく読み込めるかを確かめていて、問題があると登録に失敗すると案内されています。原因はおもにPDFを作ったソフトとの相性とされています。登録に失敗したときは、別のアプリでPDFに書き出し直すか、もう一方のサービスを試します。
手順2 登録するときに決めること
登録するときは、用紙の大きさと、拡大・縮小をしないことを決めます。画面の表示や項目の名前はサービスや使う方法(ブラウザー・アプリ)で違うので、ここでは考え方だけを書きます。
- 用紙はA4:旅行記もポスターもA4で作っているので、A4の用紙に印刷します。
- 拡大・縮小をしない:ネットプリントでは、原稿の大きさと出力する用紙の大きさが同じなら拡大縮小しないと案内されています。登録のときに「ちょっと小さめ」を選ぶと余白の分だけ縮小されるので、このテンプレートでは選びません。ネットワークプリントでは、PDFを登録するときに「用紙に合わせて印刷」と「原寸で印刷」を選べると案内されているので、「原寸で印刷」を選びます。
- カラー:写真を入れたものはカラーで印刷します。
「小冊子」「2枚を1枚」は使わないマルチコピー機には「小冊子」「2枚を1枚」のような機能があります。旅行記のA4面付け版は、すでに冊子の並び(表面:左P4・右P1/裏面:左P2・右P3)になっているので、これらの機能を選ぶと並びが崩れたり、縮小されたりします。ネットプリントでは、店内で「2枚を1枚」「小冊子」などの機能を選ぶと自動で拡大縮小すると案内されています。
手順3 試し刷り用見本で、とじ方向を確かめる
両面印刷では、裏面の向きが「とじ方向」で変わります。本番の前に、試し刷り用見本(test-print_A4.pdf)を登録して1枚印刷します。表面に「P4・P1」、裏面に「P2・P3」の大きな番号と「↑ 上」の矢印が入ったA4横・2ページのPDFです。
test-print_A4.pdfを、A4・原寸で登録します。- 店の機械で、両面印刷を選びます。
- とじ方向は「短辺とじ」を選びます。
- 印刷した用紙を、「P4・P1」の面が外側になるように中央の点線で半分に折ります。
- P1 → P2・P3 → P4 の順に、すべて「↑ 上」が上を向いていれば、設定は合っています。
ネットプリントのよくある質問では、「短辺とじ」は横長の原稿を左右に開く見開きにするときに選ぶもので、横長の原稿を上下に開くときは「長辺とじ」と説明されています。この旅行記は横長(A4横)の原稿を左右に開く冊子なので、「短辺とじ」です。P2・P3 が逆さまになったら、とじ方向がもう一方になっています。
ネットワークプリントでは、両面の設定は店の機械で印刷するときに行うと案内されていますが、とじ方向をどう選ぶかは、公式の文章では確認できませんでした。店の機械の表示を見て、同じように試し刷りで確かめてください。
試し刷り用見本は、文字と記号だけなので、白黒で印刷しても向きを確かめられます。どちらのサービスもA4の白黒は1面20円なので、両面で40円です(2026年10月12日時点の料金表からの計算)。
手順4 旅行記を印刷して折る
試し刷りでとじ方向が確かめられたら、同じ設定で自分の旅行記を印刷します。
- 書き出した旅行記のPDF(2ページ)を、A4・原寸で登録します。
- 店の機械で、カラー・両面・試し刷りで確かめたとじ方向を選んで、まず1部だけ印刷します。
- 印刷した用紙を見て、写真と文字が欠けていないか、P2・P3 の向きが合っているかを確かめます。
- 問題がなければ、必要な部数を印刷します。
- 家に持ち帰り、表面(左P4・右P1)が外側になるように、中央で半分に折ります。A4面付け版には、中央の上下の端に折り位置の目印の短い線があります。
人数分を作って渡すときの注意は、旅仲間に渡すミニ冊子の作り方にまとめています。部数の多いzineとして作る考え方は、旅行記zineの作り方で説明しています。
手順5 ポスターを印刷する
ポスターは片面・1ページなので、両面の設定はいりません。
| 用紙 | 使えるサービス | 1枚の料金(カラー) |
|---|---|---|
| A4の普通紙 | ネットプリント・ネットワークプリント | 60円 |
| A4の光沢紙(店に備え付け) | ネットワークプリント | 120円 |
金額は2026年10月12日に確認した料金表のものです(ネットプリントは税込、ネットワークプリントの料金表には税の表記がありません)。ネットワークプリントでは、持ち込んだ用紙には印刷できず、店に備え付けのA4の光沢紙を使うと案内されています。印刷のしかたはマルチコピー機の種類によって変わるとも書かれているので、使える用紙は店の機械の表示で確かめます。光沢紙に両面印刷できるかは、公式の文章では確認できませんでした(ポスターは片面なので関係ありません)。
写真プリント用の用紙(L判・2L判)もありますが、これは写真の画像ファイル(JPEGなど)を印刷するためのものです。用紙の端が切れる仕組みで、A4のポスターのPDFを印刷するものではありません。ポスターに使った写真を小さく印刷したいときは、写真のファイルそのものを登録します。写真プリントのサイズの選び方は、旅行写真をネットでプリント注文する方法で説明しています。
印刷したら、写真の幅を定規で測ります。180mm前後なら、拡大・縮小はされていません。額に入れるときの注意は、旅の写真を部屋に飾る方法にまとめています。
印刷されない「端の約5mm」とテンプレートの余白
マルチコピー機は、どちらのサービスも用紙の端の約5mmを印刷しません。用紙いっぱいに作ったデータでは、端が欠けます。このサイトのテンプレートは、次のように余白をとっています(テンプレートの生成スクリプトで確認した寸法)。
| テンプレート | 用紙の端から写真・文字までの余白 | 端の約5mmが印刷されないとき(計算) |
|---|---|---|
| 4ページの旅行記(A4面付け版) | 外側11mm | 写真と文字は欠けない |
| 旅行記の折り位置の目印 | 用紙の上下の端から4〜8mmの短い線 | 端に近い部分が欠け、線が短く見えることがある |
| A4旅ポスター | 上と左右15mm、下は約20mm | 写真と文字は欠けない |
折り位置の目印が短く見えても、中央で折る位置は変わりません。左右の端と角をそろえて半分に折れば、中央で折れます。
旅行記のページ番号(2・3)は、用紙の下の端から1cm足らずのところにあります。印刷したら、ページ番号が欠けていないかを確かめると、端が切れていないかの目印になります。
番号と写真の扱い
旅行記やポスターには、家族や友人の顔が入っていることがあります。コンビニで印刷するときは、次のことに気をつけます。
- 発行された番号を人に見せない:ネットプリントは、プリント予約番号を共有して、自分以外の人にも印刷してもらう使い方を案内しています。つまり、番号を知っている人は、期限の間そのファイルを印刷できます。番号の画面をSNSに載せたり、人に送ったりしないようにします。ネットプリントには、4桁の暗証番号を設定する機能もあります。
- 期限まで残る:登録したファイルは、期限(ネットプリントは予約日+1日または+30日、ネットワークプリントは8日間または設定した日数)まで残ります。
- 印刷したものを残していかない:試し刷りや失敗した紙も持ち帰ります。
- 写っている人の了解:人に渡す冊子は、作り始める前に写っている人に確認します。確認のしかたは旅仲間に渡すミニ冊子の作り方にあります。
よくある失敗と対処
- PPTXを登録したら、文字の位置や改行が変わった → PDFに書き出してから登録します。ネットプリントは、Office互換ソフトで作ったファイルをサポート対象外としています。
- PDFが登録できない → 10MBを超えていないかを確かめます。超えていなければ、別のアプリでPDFに書き出し直すか、もう一方のサービスを試します。
- P2・P3 が逆さまに印刷された → とじ方向がもう一方になっています。横長の原稿を左右に開く冊子は「短辺とじ」です。試し刷り用見本で確かめてから、本番を印刷します。
- 縮小されて、余白が広くなった → 拡大・縮小をしない設定(原寸)になっているか、「小冊子」「2枚を1枚」「ちょっと小さめ」などを選んでいないかを確かめます。PDFがA4の大きさになっているかも確かめます。
- 用紙の端の線や文字が欠けた → マルチコピー機は端の約5mmを印刷しません。テンプレートの余白の外に文字や写真を動かしていないかを確かめます。
- 2枚の紙に分かれて出てきた → 両面印刷になっていません。店の機械で両面を選びます。
費用のこと
コンビニで印刷する費用は、店の機械で払う印刷代です。テンプレートは無料です。2026年10月12日に確認した料金表で計算すると、次のとおりです。
| 印刷するもの | ネットプリント(税込) | ネットワークプリント(料金表の金額) |
|---|---|---|
| 旅行記1部(A4カラー・両面=2面分) | 120円 | 120円 |
| 試し刷り用見本(白黒・両面) | 40円 | 40円 |
| ポスター1枚(A4カラー・普通紙) | 60円 | 60円 |
| ポスター1枚(A4カラー・光沢紙) | (A4の光沢紙は案内になし) | 120円 |
たとえば旅行記を5部作るなら、カラー両面の120円×5部で600円に、試し刷りの分が加わります(計算の一例)。失敗したときの刷り直しの分も考えておくと安心です。料金は変わることがあるので、印刷の前に公式の料金表を確かめてください。
家庭用プリンターで印刷する場合との違いは、4ページ冊子を家で印刷する方法と印刷・飾り方、印刷方法の比較は作品・印刷方法の比較で整理しています。
