全体の流れ
家族旅行の写真で、A5・4ページの小さな旅行記を作ります。A4用紙1枚の両面に印刷して半分に折る冊子で、写真8枚と短い文章で1回の旅がまとまります。「1日目・2日目」の区切りはないので、日帰りの旅でも、何日かの旅でも同じ形で作れます。
子どもと作るときは、作業を「子どもができること」と「大人がすること」に分けます。
| 作業 | 主に受け持つ人 |
|---|---|
| 旅の話をして、出来事を思い出す | 子どもと大人で一緒に |
| 写真の候補を選ぶ | 子ども(最後の確認は大人) |
| タイトル・見出し・ひとことを考える | 子ども(年齢に合わせて大人が手伝う) |
| テンプレートに写真と文字を入れる | 大人(年齢によっては子ども) |
| 印刷して、折る | 大人と子どもで一緒に |
| 誰に渡すか、どこまで載せるかを決める | 大人(子ども本人にも聞く) |
作業は次の順に進めます。
- 年齢に合わせて分担を決める
- 旅の話をしながら、メモを作る
- 子どものひとことを「あったこと」と「思ったこと」に分ける
- 写真を8枚選ぶ
- タイトルを決める
- テンプレートに入れる
- 家族用・祖父母に渡す版・共有する版を分ける
- 印刷して折る
手順1 年齢に合わせて分担を決める
子どもに任せる作業は、年齢や、字を書くこと・パソコンを使うことへの慣れによって変わります。次の表は、分担を考えるための目安です。学年はおおよそで、子どもによって違います。
| 子どもの様子 | 子どもに任せること | 大人がすること |
|---|---|---|
| 字を書くのがまだ難しい | 写真を見て「これがいい」と選ぶ。旅の話をする | 子どもの話を書き取り、言葉をそのまま文章にする |
| ひらがなで短い文が書ける(小学校の低学年くらい) | 写真選び。P4のひとことを自分で考えて書く | 見出しや文章の下書きを一緒に作る。テンプレートへの入力 |
| 文章が書ける(小学校の中学年・高学年くらい) | 写真選びと並べる順番。見出しとP2・P3の文章 | 事実の確認と、テンプレートへの入力・印刷 |
| パソコンやタブレットが使える | テンプレートへの写真と文字の入力も | 書き出したPDFの確認。誰に渡すかの判断 |
きょうだいで作る場合は、P2(旅の前半)とP3(旅の後半)を1人ずつ受け持つ方法もあります。表紙のタイトルとP4の最後の1枚は、全員で決めます。
手書きで仕上げることもできます子どもが自分の字で書きたいときは、写真だけを大人がテンプレートに入れ、子どもが書く欄の案内の文字を消してからPDFに書き出し、印刷した紙に子どもが手書きする方法があります。配布している印刷用の空欄PDF(mini-book-4p_print_A4.pdf)にも記入欄はありますが、「旅のタイトル」「見出し(例:…)」などの案内の文字が印刷されているので、その上に書くと読みにくくなります。紙やペンによる書きやすさ・にじみは、このサイトでは確認していません。
手順2 旅の話をしながら、メモを作る
子どもに「何を書く?」と聞くと、多くの場合「楽しかった」で止まってしまいます。先に写真を一緒に見ながら、旅の話をする時間をとります。
- 写真を撮った順に、パソコンやスマートフォンの画面で一緒に見ます。
- 写真ごとに、下の例のような質問をします。
- 子どもが話したことを、大人がそのままメモします。言い直したり、まとめたりしないで、話した言葉のまま書きます。
- メモは、写真の撮影日時と照らし合わせて、出来事の順番を確かめます。
ここはどこだった?
このとき、何をしていた?
何を食べた? どんな味だった?
いちばんびっくりしたことは?
もう一回行けるなら、どこに行きたい?
出来事がいくつか出てきたら、旅の構成メモに入力すると、4ページに分けた構成メモを作れます。入力した内容は送信・保存されません。子どもの名前やあだ名は、入力しなくても使えます。
手順3 子どものひとことは「あったこと」と「思ったこと」に分ける
旅行記の文章も、学校で書く旅行の日記も、「あったこと」と「思ったこと」を分けると書きやすくなります。
| あったこと(事実) | 思ったこと(気持ち) | |
|---|---|---|
| 何を書くか | いつ・どこで・何をした・何を見た・何を食べた | そのとき思ったこと、口に出したこと |
| 書き方 | 「〜へ行った」「〜を見た」 | 「〜と思った」「びっくりした」 |
| 大人の手伝い | 写真の撮影日時や場所を一緒に確かめる | 直さない。子どもの言葉のまま残す |
3つの文で書く
文章が書ける子どもには、次の3つの文で書く方法を伝えます。旅行記のP2・P3の文章は2〜3文が目安なので、この形がそのまま入ります。
- いつ・どこへ(あったこと)
- 何をしたか・何を見たか(あったこと)
- どう思ったか(思ったこと)
書き直す前:水族館に行って、楽しかったです。
書き直したあと:二日目の朝、水族館へ行った。イルカが水から高くとび上がった。思っていたより大きくて、びっくりした。
書き直したあとの文は、1文目と2文目が「あったこと」、3文目が「思ったこと」です。「楽しかった」をやめる必要はありませんが、何が楽しかったかが1つわかると、あとで読み返したときに場面を思い出せます。
大人が気をつけること
- 気持ちを書き足さない:子どもが言っていない「感動した」「忘れられない」などを、大人が足さないようにします。
- 事実の間違いだけを一緒に直す:場所や順番が違うときは、写真を見ながら一緒に確かめます。
- 話し言葉はそのまま残してよい:「すごかった!」のような言い方も、その子の言葉として残せます。誤字だけを直す、ひらがなのままにする、などは家庭で決めてかまいません。
- ほかの家族の気持ちを決めつけない:「お父さんも喜んでいた」のような文は、本人に確かめてから入れます。
文字数の目安と書き直しの例は、短い旅の文章を書く方法でくわしく説明しています。
手順4 写真を8枚選ぶ
写真は、表紙に1枚、前半と後半に3枚ずつ、最後に1枚の合計8枚です。子どもに候補を選んでもらい、大人が枠に合うかを確かめます。
| ページ | 写真 | 選び方 |
|---|---|---|
| P1 表紙 | 1枚(少し縦長の大きな枠) | 旅先がひと目でわかる1枚 |
| P2 旅の前半 | 3枚(上:横長3:2、左下:縦長3:4、右下:横長3:2) | 出発から、旅の前半の場面 |
| P3 旅の後半 | 3枚(上:横長3:2、左下:横長3:2、右下:縦長3:4) | 食事や遊んだ場所、帰る前の時間 |
| P4 最後の1枚 | 1枚(横長) | 子どもが「いちばん好き」と選んだ写真 |
選ぶときのポイントです。
- 子どもが選んだ写真を、1枚は必ず入れる:大人から見て上手な写真でなくても、子どもが選んだ写真が入っていると「自分で作った本」になります。P4の最後の1枚を子どもに選んでもらう方法もあります。
- 顔が写っていない写真も混ぜる:景色・食べたもの・手に持ったもの・後ろ姿の写真があると、手順7で共有する版を作るときに、顔の写った写真と入れ替えやすくなります。
- 子どもが撮った写真も候補に入れる:子どもが撮った写真は、子どもの目の高さの景色になります。
- 縦長の枠は2つ:縦長の写真がないときは、横長の写真の一部を縦長に切り抜いて使えます。
候補が多くて決められないときは、写真を選びすぎて進まないときの整理方法の方法で、主役・人物・食事・細部・締めの役に分けると選びやすくなります。
手順5 タイトルを決める
表紙のタイトルは、1行で16字くらいまでが入る大きさです(テンプレートの枠の大きさからの計算)。子どもと一緒に、いくつか案を出してから決めます。
| タイトルの型 | 例 |
|---|---|
| 行き先+「へ」 | 海の見える町へ/山の牧場へ |
| 季節+旅 | 夏休みの家族旅行 |
| いちばんの思い出 | イルカがとんだ日 |
| 子どもの言葉 | また行きたい! |
タイトル:イルカがとんだ日
サブタイトル:家族旅行の小さな旅行記
日付:夏休み
上の例は、型をわかりやすくするために作った架空の例です(「海の見える町へ」はサイトの見本の文章です)。
名字の入ったタイトル(例:「〇〇家の夏休み」)は、家族用の版ならそのままでかまいません。ほかの人と共有する版では、名字が出ないタイトルにすると安心です(手順7で説明します)。
手順6 テンプレートに入れる
4ページの小さな旅行記テンプレートの一式(ZIP)には、編集用のPPTXが2種類入っています。編集するのはどちらか一方だけです。
| 作りたいもの | 編集するファイル |
|---|---|
| 家で印刷して、折って冊子にする | mini-book-4p_edit_A4-print.pptx(A4横・2スライド、面付け済み) |
| 画面で見る・PDFで祖父母に送る | mini-book-4p_edit_A5.pptx(A5縦・4スライド、読む順) |
- 写真の枠(淡い青の「写真を置き換える」という画像)を選び、アプリの画像を置き換える機能で写真に替えます。機能の名前はアプリによって異なります(例:「図の変更」「画像を置換」)。
- 写真の比率が枠と違うときは、引き伸ばさずに、はみ出す部分を切り抜いて合わせます。子どもの顔が枠の端で切れないようにします。
- 文字をクリックして書き換えます。子どもが手書きする欄は、案内の文字を消して空けておきます。
- PDFに書き出し、文字が枠からはみ出していないかを確かめます。
文字の欄と、入る量の目安(枠の大きさからの計算)です。
| 場所 | 書くこと | 誰が書くかの例 | 目安(計算) |
|---|---|---|---|
| P1 タイトル | 旅の名前 | 家族で決める | 1行で16字くらいまで |
| P2・P3 見出し | そのページの流れ | 子ども | 10文字前後 |
| P2・P3 文章 | 出来事を2〜3文で | 子ども(大人が書き取ってもよい) | 1行20字くらいで、6行ほどまで |
| P4 ひとこと | 最後に残したい言葉 | 子ども | 1行25字くらいで、2行まで |
| P4 旅の記録(任意) | 時期・行き先・一緒に行った人など | 大人 | 4行ほどまで。消してもかまいません |
P2・P3の文章の枠には、書き方の案内が3行入っています。案内はすべて消してから書きます。P2・P3の上にある小さな文字「旅の前半」「旅の後半」は、「行き」「水族館」などに変えてもかまいません。
テンプレートは游明朝・游ゴシックを指定していて、これらのフォントがない環境では別のフォントに置き換わり、改行の位置が変わることがあります。作り方の全体は、旅行写真を1冊にする|4ページの小さな旅行記の作り方で説明しています。
確認したアプリについてこのサイトで確認したのは LibreOffice Impress 24.2(Linux)だけです(編集用ファイルが開けること、写真と文字がページごとに別々の部品として編集できること、差し替えたファイルをPDFに書き出せること)。PowerPoint・Keynote・Googleスライド・Canva・スマートフォンやタブレットのアプリでは確認しておらず、表示や操作が異なる場合があります。
手順7 家族用・祖父母に渡す版・共有する版を分ける
家族旅行の旅行記には、子どもの顔や名前が入ります。誰に見せるかによって、載せてよい範囲は変わります。家族用の版を先に完成させてから、渡す相手ごとにコピーを作って見直します。
| 家族用 | 祖父母・親戚に渡す版 | 友人に送る・インターネットで共有する版 | |
|---|---|---|---|
| 子どもの顔 | そのまま | そのまま(子ども本人がいやがる写真は外す) | 顔が写っていない写真に替えるか、顔がわからないようにする |
| 子どもの名前 | そのまま | 下の名前やあだ名 | 書かない(「長女」「弟」などにするか、名前を外す) |
| 名字の入ったタイトル | そのまま | そのまま | 名字が出ないタイトルにする |
| 学校・地域がわかるもの | 気になるものは避ける | 名札・制服・学校名が写っていないか確かめる | 写さない |
| 旅の記録の欄 | 残したい範囲で | 時期と行き先くらい | 書かないか、季節だけにする |
進め方です。
- 家族用の版を完成させて、PDFに書き出します。
- 完成した編集用ファイルをコピーし、ファイル名に渡す相手がわかる言葉を付けます(例:
family-trip_grandparents.pptx、family-trip_share.pptx)。元のファイルは上書きしないようにします。 - コピーしたファイルで、上の表のとおりに写真の枠を置き換え、名前や旅の記録を書き直します。写真の枠を置き換えれば、ほかのページはそのまま使えます。
- 子ども本人にも、「おじいちゃんとおばあちゃんに、この本を見せてもいい?」のように、誰に見せるかを伝えて聞きます。いやがる写真や文章は外します。
- 一緒に写っているほかの家族や、友だちが写っている写真は、その人(子どもなら保護者)の了解を得てから使います。
家族用の旅の記録:8月 〇〇県の海辺の町 父・母・ゆい・そうた
祖父母に渡す版の旅の記録:8月 海辺の町へ 家族4人で
共有する版の旅の記録:夏休みの家族旅行
名前は架空の例です。祖父母に渡す版でも、受け取った人がほかの親戚や知り合いに見せたり、PDFを転送したりすることがあります。PDFで送るときは、ほかの人には送らないでほしいことを一言添えておくと安心です。
インターネットで共有する前にSNSやブログで公開すると、知らない人も見ることになり、一度公開すると取り消しきれないことがあります。子どもの顔や名前、通っている学校や住んでいる地域がわかるもの、写真に記録された位置情報、旅行中にその場で投稿するタイミングなど、確かめることは[旅の動画を共有する前の音楽・写真・個人情報チェック](/guides/share-travel-video-safely/)にまとめています(動画向けの記事ですが、写真の冊子でも同じ点を確かめます)。
テンプレートの利用条件では、自分や家族の旅の作品を作ること、完成した作品を家族・友人に贈ること、個人のSNSやブログで公開すること(営利目的でない場合)ができます。テンプレートのファイルそのものを他の人に配ることはできないので、渡すのは印刷した冊子か書き出したPDFにします。くわしくは利用条件をご覧ください。冊子を人に渡すときの確かめ方は、旅仲間に渡すミニ冊子の作り方でも説明しています。
手順8 印刷して折る
印刷と折るところは、子どもと一緒にできる作業です。
- 試し刷り用見本(
test-print_A4.pdf)を、A4・横向き・両面印刷・フチあり・倍率100%で印刷します。A4横の冊子では一般に「短辺とじ」を選びますが、表記や結果はプリンターによって違います。 - 試し刷りの紙を、表面(左P4・右P1)が外側になるように中央で折り、P1 → P2・P3 → P4 の順に上向きで読めるかを確かめます。
- 同じ設定で、自分たちの旅行記を1冊印刷します。A4面付け版には、中央の上下の端に、折り位置の目印の短い線が入っています。
- 子どもに折ってもらう場合は、角をそろえてから、目印の線で半分に折ります。
- 子どもが手書きする場合は、印刷したあと、折る前の平らな状態で書くと書きやすくなります。
- 家族用の1冊で確かめてから、祖父母に渡す版などを必要な部数だけ印刷します。
両面印刷ができないプリンターでは、1ページ目を印刷したあと、用紙を裏返してセットし直し、2ページ目を印刷します。くわしくは4ページ冊子を家で印刷する方法をご覧ください。
仕上がりについてこのサイトの見本は、面付けしたPDFのページの順番までは確認していますが、実際に紙に印刷して折った仕上がりはまだ確認していません。必ず試し刷りをしてから印刷してください。
よくある失敗と対処
- 子どもの文章が「楽しかった」だけで終わる → 写真を一緒に見ながら「何をしていた?」「何にびっくりした?」と聞き、あったことを1つ足します。
- 大人が手を入れすぎて、子どもの言葉が残らない → 直すのは場所や順番などの事実の間違いと誤字だけにして、思ったことは子どもの言葉のまま残します。
- 文章が長くて、枠からはみ出す → 3つの文(いつ・どこへ/何をしたか/どう思ったか)に絞ります。見出しは10文字前後にします。
- 共有する版を作ろうとしたら、顔が写っていない写真がない → 写真を選ぶ段階で、景色・食べたもの・後ろ姿の写真も候補に残しておきます。
- 祖父母に送ったPDFが、知らないうちにほかの人にも渡っていた → 送るときに、ほかの人には送らないでほしいことを一言添えます。名前や学校がわかるものは、渡す版の段階で外しておきます。
- 印刷用の空欄PDFに手書きしたら、案内の文字と重なった → 空欄PDFには記入欄の案内の文字が入っています。手書きする欄は、編集用ファイルで案内の文字を消してから書き出したPDFを印刷します。
費用のこと
- テンプレートは無料で、ダウンロードに登録は必要ありません。
- 家で印刷する場合、用紙代とインク代が別にかかります。1冊にA4用紙1枚を使い、ほかに試し刷りの分も必要です。祖父母に渡す版などを作るときは、その部数分がかかります。金額はプリンターや用紙によって違います。
- 祖父母に郵送する場合は、送料と封筒代が別にかかります。
- 印刷会社や印刷サービスに頼む場合は、その料金と送料が別にかかります。入稿データの形式が指定されることが多く、このテンプレートのファイルをそのまま使えるとは限りません。印刷方法の違いは作品・印刷方法の比較で整理しています。
