手順1 写真は消さずに、候補を別の場所に集める
写真を1枚ずつ見ながら「残すか、消すか」を決めていくと、1枚ごとに判断が必要になり、手が止まりやすくなります。作品に使う写真を選ぶときは、消す作業と切り離します。
- 元の写真は、すべてそのまま残します。
- 多くのスマートフォンやパソコンには、アルバムやお気に入りのように写真を分けておく機能があります。「作品の候補」を1つ作り、使うかもしれない写真をそこに集めます。フォルダーにコピーして集めても同じです。
- 1回目は、迷ったら候補に入れます。明らかにピントが外れた写真や、指が大きく写り込んだ写真だけを外せば十分です。
候補の数は、作る枚数の2〜3倍くらいを目安にすると、並べて比べやすくなります(この記事での進め方の目安です)。
| 作るもの | 使う枚数 | 候補の目安 |
|---|---|---|
| 小さな旅行記(4ページ) | 8枚 | 16〜24枚 |
| A4旅ポスター | 1枚 | 3〜5枚まで絞ってから選ぶ |
| 30秒ショート動画 | 写真6枚と、タイトル・最後の2場面 | 16〜24枚 |
手順2 撮った順に並べて、旅の流れをつかむ
候補を撮影した日時の順に並べ、旅の流れを確かめます。旅行記は「旅の前半」「旅の後半」の2ページに分かれるので、候補の真ん中あたりで前半と後半を分けておくと、あとで配置しやすくなります。日付で分ける必要はありません。
出来事を言葉で並べておくと、写真の抜けに気づきやすくなります。旅の構成メモでは、出来事を5つまで入力すると、旅行記(4ページ)・ポスター・30秒動画の構成メモを作れます。写真を入れる場所は「[ここに写真を選ぶ]」という記入欄で示されるので、候補の中から当てはめていきます。入力した内容は送信・保存されません。
手順3 5つの役で選ぶ
候補がそろったら、1枚ずつ良し悪しを比べるのではなく、「その写真が作品の中でどんな役をするか」で分けます。この記事では、次の5つの役を使います。
| 役 | どんな写真か | 良い1枚の条件 |
|---|---|---|
| 主役 | 旅をいちばんよく表す景色や場面 | 1枚だけで行き先や旅の雰囲気が伝わる。大きく使ってもピントや明るさが気にならない |
| 人物 | 一緒に行った人や自分が写っている写真 | 表情や後ろ姿から、その場の様子がわかる。写っている人の了解が取れる |
| 食事 | その土地で食べたもの・飲んだもの | 器全体が入っていて、明るい。盛り付けがわかる |
| 細部 | 切符・看板・小物・足元など、近づいて撮ったもの | 何を撮ったかがすぐわかる。背景がすっきりしている |
| 締め | 旅の終わりを感じる1枚 | 帰り道や最後の朝など、静かに終われる場面。最後のページや動画の最後に置ける |
どの役にも入らない写真、たとえば移動中の車窓や町の景色は、「つなぎ」として空いた枠を埋めるのに使います。役は決まりではなく、足りない種類の写真に気づくための目安です。1枚が2つの役を兼ねてもかまいません。
作品ごとの枚数の目安は次のとおりです。
| 役 | 小さな旅行記(8枚) | A4旅ポスター(1枚) | ショート動画(6枚+2場面) |
|---|---|---|---|
| 主役 | 1枚(P1 表紙) | 1枚(これだけ) | 1枚(タイトルか最後) |
| 人物 | 1〜2枚 | なし | 1〜2枚 |
| 食事 | 1〜2枚 | なし | 1〜2枚 |
| 細部 | 0〜2枚 | なし | 1〜2枚(タイトルの背景にも) |
| 締め | 1枚(P4 最後の1枚) | なし | 1枚 |
| つなぎ | 残りの枠 | なし | 残りの場面 |
- 小さな旅行記:表紙1・前半3・後半3・最後1の8枚です。先に主役(表紙)と締め(P4)を決め、残りの6枚を前半と後半に3枚ずつ分けます。
- A4旅ポスター:主役の1枚だけです。飾る場所で毎日目に入ることを考えて、候補の中から1枚を選びます。
- ショート動画:写真6枚(各4秒)に、タイトル(0〜3秒)の背景と、最後のひとこと(27〜30秒)の写真を足します。タイトルと最後の場面は、写真6枚と同じ写真を使ってもかまいません。
見本では、10点をこう振り分けました
サイトの完成見本(同じ旅から3作品)で使った共通素材10点を、この記事の5つの役に当てはめた例です。
下の表について下の「役」は、この記事の考え方で後から整理したもので、見本を作るときにこの表を使ったわけではありません。
| 素材 | 向き | 役(この記事での当てはめ) | 使った作品 |
|---|---|---|---|
| 01 出発の朝 | 横長 | つなぎ(旅の始まり) | 旅行記P2 |
| 02 車窓の海 | 横長 | つなぎ(移動中の景色) | 旅行記P2・動画 |
| 03 港と灯台 | 横長 | 主役 | 旅行記P1(表紙)・ポスター・動画の最後 |
| 04 坂道の路地 | 縦長 | つなぎ(町の景色) | 旅行記P2・動画 |
| 05 港の食堂 | 横長 | 食事 | 旅行記P3・動画 |
| 06 喫茶店の窓辺 | 縦長 | 食事 | 旅行記P3 |
| 07 夕暮れの海岸 | 横長 | 人物(遠くに2人の小さな後ろ姿) | 旅行記P3・動画 |
| 08 夜の港 | 横長 | 締め(1日の終わり) | 動画 |
| 09 旅のかけら | 縦長 | 細部(切符の半券・貝がらなど) | 動画のタイトル |
| 10 朝の海と自転車 | 横長 | 締め | 旅行記P4・動画 |
この例から、次のことが読み取れます。
- 主役の「03 港と灯台」は、旅行記の表紙・ポスター・動画の最後の3か所で使われています。主役を1枚決めておくと、どの作品にも使えます。
- 旅行記の縦長の枠2つには、縦長の素材(04・06)が入っています。
- 旅行記に入らなかった「08 夜の港」と「09 旅のかけら」は、動画で使われています。動画は 09→02→04→05→07→08→10→03 の順です。1つの作品に全部入れなくても、別の作品で生かせます。
- 人物の役は、遠くに小さく写った後ろ姿の1点だけです。人物の写真は、顔が大きく写ったものでなくてもかまいません。
似た写真が何枚もあるときは
同じ場所で何枚も撮った写真は、並べて1枚だけを選びます。次の順に比べると決めやすくなります。
- ピントが合っているか(拡大して確かめる)
- 明るさや傾きが気にならないか
- 見せたいものの前に、ほかの人や物が重なっていないか
- 使う枠の向き(縦長・横長)に合うか
最後まで迷ったら、見せたいものが大きく写っているほうを選びます。1つの作品の中に似た写真が2枚あると、ページや場面が変わったことが伝わりにくくなります。どうしても残したい2枚目は、別の作品に回します。
縦長と横長をまぜる
作品によって、必要な写真の向きが違います。
| 作品 | 写真の枠の向き |
|---|---|
| 小さな旅行記 | 横長(3:2)が中心。P2の左下とP3の右下だけ縦長(3:4)。表紙は少し縦長、P4は横長 |
| A4旅ポスター | 縦長(幅180mm×高さ205mm、おおよそ7:8) |
| ショート動画 | 縦長の画面(9:16) |
- 旅行記の縦長の枠に合う写真がないときは、横長の写真の一部を縦長に切り抜きます。小物や料理を近くで撮った写真は、切り抜いても見せたいものが残りやすいので、縦長の枠の候補にしやすくなります。
- ポスターに横長の写真を使うと、左右が切り落とされます。見せたいもの(人・建物・景色の中心)が写真の中央付近にある1枚を選びます。
- 動画の縦長の画面に横長の写真を入れるときは、中央を切り抜くか、上下に余白を付けて写真全体を見せます。見本の動画では、紙の色の余白を付けて全体を見せています。
- どの作品でも、写真は引き伸ばさずに、比率を保ったまま切り抜いて合わせます。
人が写っている写真の扱い
- 一緒に行った人が写っている写真は、作品に使う前に本人に確認します。作品を渡すとき、公開するときも同じです。
- 他の人が撮った写真を使うときは、撮った人の了解も得ます。
- 知らない人の顔がはっきり写っている写真は、別の写真に替えるか、写らないように切り抜きます。
- 切符・予約画面・宿の案内などが写った写真は、名前や番号が読めないかを拡大して確かめます。
- 了解が得られなかった写真は、景色・食事・細部の写真に替えます。
動画をSNSなどで共有する前の確認は、旅の動画を共有する前の音楽・写真・個人情報チェックで説明しています。
選んだ写真をテンプレートに当てはめる
写真が決まったら、テンプレートに当てはめます。
小さな旅行記
- 4ページの小さな旅行記テンプレートをダウンロードします。
- 家で印刷するなら
mini-book-4p_edit_A4-print.pptx、画面で見る・PDFで送るならmini-book-4p_edit_A5.pptxの、どちらか一方を開きます。 - 主役をP1の表紙に、締めをP4に入れ、残りの6枚をP2(前半)とP3(後半)に3枚ずつ入れます。縦長の写真は、P2の左下とP3の右下です。
手書きで配置を考えたいときは、閲覧用PDF(mini-book-4p_view_A5.pdf)を印刷して、枠の中に写真の番号をメモしていく方法もあります。作り方の全体は、旅行写真を1冊にする|4ページの小さな旅行記の作り方で説明しています。
ショート動画
- 30秒ショート動画 構成シートをダウンロードします。
short-video-plan_30s.csvを表計算ソフトで開くか、short-video-plan_30s.pdfを印刷します。- 「使う写真・動画」の欄に、写真のファイル名や番号を、番号1(タイトル)から番号8(最後のひとこと)まで順に書きます。
- 記入例の
short-video-plan_30s_example.csvには、見本の動画で使った素材の順番が入っています。
CSVは UTF-8(BOM付き)で保存しています。表計算ソフトで文字化けする場合は、文字コードに UTF-8 を指定して読み込みます。
A4旅ポスターは、主役の1枚が決まれば始められます。作り方は旅ポスターの作り方にあります。
よくある失敗と対処
- 消しながら選んで、途中で手が止まる → 消す作業はあとに回し、候補を集めることだけに集中します。
- 候補が多すぎて比べられない → 先に主役と締めの2枚だけを決めます。残りは役ごとに1〜2枚ずつ選べば、枚数がそろいます。
- 景色の写真ばかりになる → 役の表を見て、人物・食事・細部のうち足りない役を候補から探します。
- 縦長の写真が足りない → 横長の写真から、縦長に切り抜ける写真を探します。料理や小物を近くで撮った写真が候補になります。
- 似た写真を2枚とも入れてしまう → 1つの場面から1枚にし、2枚目は別の作品に回します。
- 写っている人に確認しないまま作ってしまう → 渡す前・公開する前に確認します。了解が得られない写真は、人が写っていない写真に替えます。
