30秒の旅動画と、スライドショーの違い
このサイトの30秒の旅動画は、スマートフォンで見る縦長の短い動画でした。この記事で作るのは、旅行から帰ったあと、テレビやパソコンの画面で、家族や一緒に行った人と見る横長のスライドショーです。
| 30秒の旅動画 | この記事のスライドショー | |
|---|---|---|
| 画面の向き | 縦長(9:16・例:1080×1920) | 横長(16:9・例:1920×1080) |
| 長さ | 30秒 | 3分・5分など |
| 写真の枚数 | 6枚+タイトルと最後 | 数十枚 |
| 見る場面 | スマートフォンで、1人で | テレビやパソコンで、何人かで |
| 区切り | なし | 章に分ける |
写真が多くなるぶん、編集アプリを開いてから「何枚入れるか」「どこで区切るか」を考えると、なかなか終わりません。先に紙や表の上で、枚数・章・秒数を決めてしまいます。
構成シートは「応用」として使いますこのサイトの「30秒ショート動画 構成シート」は、縦9:16・30秒用に作ったものです。この記事では、行を足し、時間を書き換えて、横長・長めのスライドショーの構成表として応用します。横長の構成表としての使い方は、配布しているファイルの説明(README)には書かれていません。
写真と短い動画を混ぜたvlogを作りたい場合は、旅行vlogの作り方で、撮る前から決めておくことを説明しています。この記事は、写真だけで作る場合に絞ります。
手順1 長さを決めて、写真の枚数を計算する
最初に、全体の長さと、写真1枚を見せる秒数を決めます。そのあと、次の式で写真の枚数を出します。
写真の枚数の出し方写真の枚数 =(全体の秒数 − タイトルの秒数 − 章の扉の秒数の合計 − 最後のひとことの秒数)÷ 写真1枚の秒数
ここでは、次の条件で計算します。どれも例なので、旅の内容に合わせて変えてかまいません。
- タイトル:6秒(旅のタイトルと、日付や行き先)
- 章の扉:3秒×4章=12秒(章の名前を出す短い場面)
- 最後のひとこと:6秒
- 写真1枚:4秒(30秒の構成シートと同じ)または5秒
タイトル・章の扉・最後を合わせると24秒です。
| 全体の長さ | 写真に使える秒数 | 1枚4秒の場合 | 1枚5秒の場合 |
|---|---|---|---|
| 3分(180秒) | 156秒 | 39枚 | 31枚(1秒余る) |
| 5分(300秒) | 276秒 | 69枚 | 55枚(1秒余る) |
余った秒数は、タイトルか最後のひとことを1秒延ばして調整します。
反対に、使いたい写真の枚数が先に決まっている場合は、長さを計算します。
- 写真50枚・1枚4秒なら、50×4=200秒。タイトル・章の扉・最後の24秒を足すと224秒で、3分44秒です。
- 写真50枚・1枚5秒なら、250+24=274秒で、4分34秒です。
1枚の秒数の考え方
| 1枚の秒数 | 向いている場面 |
|---|---|
| 3秒前後 | 似た写真が続く場面(同じ町を歩いた写真など)を、テンポよく見せたいとき |
| 4秒 | 30秒の構成シートと同じ。迷ったらこの秒数から始めます |
| 5〜6秒 | 字幕を付けた写真、人がたくさん写った集合写真、旅の主役の景色など、じっくり見たいとき |
全部を同じ秒数にしなくてもかまいません。主役の写真を6秒にしたら、似た写真の場面を3秒にして、合計を合わせます。
場面の切り替えにフェードなどの効果を付けると、アプリによっては前後の場面が重なるぶん、全体の長さが短くなることがあります。書き出したあとに長さを確かめます(手順7)。
写真が多すぎるとき候補が100枚以上あっても、3分なら40枚前後です。先に「この旅でいちばん見せたい写真」を章ごとに選び、似た写真は1枚に絞ります。選び方は写真を選びすぎて進まないときの整理方法で説明しています。
手順2 旅の流れを章に分ける
写真を撮った時間の順に並べ、4つほどの章に分けます。何日かの旅なら「1日目・2日目」で分けてもかまいません。日帰りや一泊の旅なら、次のように場面で分けると決めやすくなります。
| 章 | 内容 | 3分・1枚4秒の割り振り例 |
|---|---|---|
| タイトル | 旅のタイトルと、日付や行き先 | 6秒 |
| 1 はじまり | 出発・移動・到着 | 扉3秒+写真8枚(32秒) |
| 2 目的地 | 旅の主役になる景色、一緒に行った人 | 扉3秒+写真12枚(48秒) |
| 3 食事と町 | 食べたもの、立ち寄った場所、小物 | 扉3秒+写真10枚(40秒) |
| 4 夕方から帰り道 | 1日の終わり、翌朝、帰り道 | 扉3秒+写真9枚(36秒) |
| 最後のひとこと | 締めの写真とひとこと | 6秒 |
写真は合計39枚、全体は180秒(3分)です。いちばん見せたい章に枚数を多く割り振り、ほかの章を少なくします。
章の扉は、無地の背景か、その章を代表する写真の上に、短い文字を入れた場面です。「1日目 朝の電車で海へ」のように、時間と場所がわかる言葉にすると、見ている人が今どのあたりかをつかめます。扉を入れない場合は、その秒数を写真に回します(3分・1枚4秒なら、写真が3枚増えて42枚です)。
完成見本の30秒動画では、素材09「旅のかけら」をタイトルに、02「車窓の海」→04「坂道の路地」→05「港の食堂」→07「夕暮れの海岸」→08「夜の港」→10「朝の海と自転車」を旅の時間の順に並べ、最後に03「港と灯台」を置いています。スライドショーでは、この6枚の1枚ずつを、章の中の何枚かに広げるように考えると、流れを組み立てやすくなります。
手順3 横長の画面に、縦長と横長の写真を混ぜる
スマートフォンで撮った写真には、縦長と横長が混ざっています。横長(16:9)の画面に入れるとき、写真の比率によって見え方が変わります。次の表は、画面を1920×1080として計算したものです。
| 写真の比率 | 高さを画面に合わせて全体を見せる | 画面いっぱいに切り抜く |
|---|---|---|
| 横長 16:9 | 画面いっぱい(余白なし) | 切り抜かずに入る |
| 横長 3:2 | 幅1620(画面の幅の約84%)。左右に少し余白 | 写真の高さの約84%が残る |
| 横長 4:3 | 幅1440(約75%)。左右に余白 | 写真の高さの75%が残る |
| 縦長 3:4 | 幅810(約42%)。左右に大きな余白 | 写真の高さの約42%しか残らない |
| 縦長 2:3 | 幅720(37.5%) | 写真の高さの37.5%しか残らない |
| 縦長 9:16 | 幅約608(約32%) | 写真の高さの約32%しか残らない |
縦長の写真を横長の画面いっぱいに切り抜くと、半分以上が見えなくなります。縦長の写真には、次のどれかを選びます。
- 余白をつけて全体を見せる:左右の余白は、白・紙色・紺色など、全体で1色に決めます。余白に字幕を置くこともできます。
- 縦長の2枚を並べる:3:4の縦長の写真なら、2枚並べても幅は810×2=1620で、画面に収まります(間を少し空けると見やすくなります)。同じ章の、関連のある2枚(料理と店の外観など)を組み合わせます。2枚を見せるので、秒数は1枚のときより長め(例:6秒)にします。
- 縦長の写真をまとめて置く:縦長が1枚ずつ散らばると、余白が出たり消えたりして落ち着きません。章の中で、縦長の写真が続く場所をつくると見やすくなります。
どの方法でも、写真を横に引き伸ばして画面を埋めることはしません。人の顔や建物の形が変わって見えます。
枚数の計算と「並べる場面」縦長の2枚を1つの場面に並べると、写真の枚数は増えても場面の数は増えません。手順1の計算は「場面の数」として考え、並べる場面は1場面として数えます。
手順4 構成シートに行を足して、構成表にする(応用)
構成シートのCSV(short-video-plan_30s.csv)は、「番号」「開始(秒)」「終了(秒)」「長さ(秒)」「種類」「使う写真・動画」「字幕」「動き」「切り替え」「メモ」の10列で、30秒用の8行が入っています。表計算ソフトで開き、行を足して使います。
- 必要な場面の数だけ行を足します(3分・1枚4秒・章の扉ありなら、タイトル1+扉4+写真39+最後1=45行)。
- 「種類」の列に、タイトル・章の扉・写真・写真2枚・最後のひとこと のどれかを書きます。
- 「開始(秒)」「終了(秒)」「長さ(秒)」を書き直します。1行目から順に、前の行の「終了」が次の行の「開始」になります。
- 「使う写真・動画」の列に、ファイル名や番号を書きます。
- 「メモ」の列に、章の名前と、写真の向き(横・縦・縦2枚)を書いておくと、手順3の見せ方を決めやすくなります。
最初の数行は、たとえば次のようになります(架空の例です)。
| 番号 | 開始〜終了 | 種類 | 使う写真 | 字幕 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 0〜6秒 | タイトル | 港の景色 | 海の見える町へ | 横 |
| 2 | 6〜9秒 | 章の扉 | (無地) | 1 朝の電車で | ― |
| 3 | 9〜13秒 | 写真 | 駅のホーム | (なし) | はじまり・横 |
| 4 | 13〜17秒 | 写真 | 車窓の海 | 窓の外に、海 | はじまり・横 |
| 5 | 17〜23秒 | 写真2枚 | 坂道・路地の看板 | (なし) | はじまり・縦2枚 |
印刷して手書きしたい場合は、A4横のPDF(short-video-plan_30s.pdf)を必要な枚数だけ印刷し、2枚目以降の時間を書き換えて使います。PDFの上にある「縦 9:16(例:1080×1920)/30秒」の説明と、場面を描く縦長の小さな枠は30秒用のものです。横長の場面は、枠の横にメモするなどして書き込んでかまいません。
CSVは UTF-8(BOM付き)です。表計算ソフトで文字化けするときは、文字コードに「UTF-8」を指定して読み込みます。セルの先頭が「=」「+」「-」「@」のときは数式として扱われることがあるので、先頭に半角のアポストロフィ(')を付けます。字幕の下書き(subtitles_30s.txt)とSRTの見本(subtitles_30s.srt)は30秒の時間配分なので、長いスライドショーにはそのままでは合いません。
出来事を先に整理したいときは、旅の構成メモに出来事を入力すると、旅の流れを並べたメモを作れます(入力した内容は送信・保存されません)。章の名前を考える手がかりになります。
手順5 字幕と章の扉の文字を決める
テレビの画面で何人かで見るときは、写真を見ながら話すこともあります。字幕は全部の写真に付けなくてかまいません。
- タイトル:旅の名前と、日付や行き先。1〜2行に収めます。
- 章の扉:「時間+場所」か「時間+したこと」を短く。章が変わったことが伝われば十分です。
- 写真の字幕:付けるのは、説明がないと分かりにくい写真や、その場で話したことを残したい写真だけにします。長さは、構成シートでの目安(1枚15〜20文字くらいまで)を基本にします。
- 最後のひとこと:旅の最後に残したい言葉を1つだけ。
タイトル:海の見える町へ/5月の週末、一泊二日
章の扉:1 朝の電車で/2 港と灯台/3 港の食堂と、坂の町/4 夕方から、翌朝まで
写真の字幕:窓の外に、海/坂の上から港が見えた/日が沈むまで、海岸にいた
最後のひとこと:また、この港まで。
字幕は、画面の端から離して置きます。家族の名前を入れるかどうかは、見せる範囲で決めます。人に送ったり公開したりする場合は、宿の名前や細かい日程も書きすぎないようにします。言葉の選び方は短い旅の文章を書く方法で説明しています。
手順6 曲を付けるかを決める
曲の長さと、スライドショーの長さを合わせる
曲を付ける場合は、先に曲を決めてから枚数を逆算すると、終わり方がそろいます。
- 使う曲の長さ(秒)を確かめます。
- 手順1の式の「全体の秒数」に、曲の長さを入れて、写真の枚数を出します。
- 曲の長さが写真の枚数に合わないときは、1枚の秒数を少し変えるか、最後のひとことの秒数で調整します。
2曲以上を使う場合は、曲の変わり目を章の変わり目に合わせると、自然に聞こえます。曲がスライドショーより長いときは、最後のひとことに合わせて音を小さくして終わらせる方法もあります(機能の名前はアプリによって異なります)。
曲の利用条件を確かめる
曲を付けたスライドショーを、誰に・どこで見せるかで、確かめることが変わります。
| 見せ方 | 確かめること |
|---|---|
| 家で、一緒に住む家族と見る | 使う音源の利用条件。購入した曲や、聞き放題のサービスで聞いている曲を、動画に付けてよいかは条件によって違います |
| ファイルやリンクで、家族や一緒に行った人に送る | 送った相手が保存・転送できることも考えて、その使い方が利用条件の範囲かを確かめます |
| SNSや動画サービスで公開する | 公開する使い方を認めているか、作者名の表示(クレジット)が必要かを確かめます |
YouTube に載せる場合は、YouTube ヘルプ(2026年10月12日時点)で、次のことが説明されています。
- 2024年10月15日以降にアップロードされた、正方形か縦長で、長さが3分以内の動画はショート動画に分類されます。16:9のような横長の比率なら、ショートに分類されません。
- ショートにする場合、ショート用のオーディオ ライブラリの音楽は、曲によって使える秒数が決まっていて、最長3分のショートでほとんどが最長90秒まで、一部は60秒または30秒に制限されることがあります。
- YouTube Studio の「オーディオ ライブラリ」には、動画で使える著作権使用料無料の音楽と効果音があり、時間(秒)で探したり、MP3でダウンロードしたりできます。クリエイティブ・コモンズ ライセンスのトラックを使う場合は、動画の説明欄にアーティストのクレジットを書く必要があります。帰属表示が不要な標準ライセンスの音楽もあります。
- YouTube が著作権上問題ないと認識しているのは、オーディオ ライブラリの音楽と効果音だけで、ほかの「著作権使用料無料」とされる音楽による問題には責任を負わない、とも書かれています。
このページは、YouTube に載せる動画についての説明です。オーディオ ライブラリの音楽を、YouTube の外(テレビで流す、ファイルで家族に送るなど)で使うときの条件は、このページには書かれていませんでした。ほかのSNSや動画サービス、編集アプリの中で選べる音楽にも、それぞれ利用条件があります。使う前に、提供元の案内で確かめてください。
条件が分からないとき、合わないときは、別の音源にするか、曲なしにします。曲がなくても、章の扉と写真の順番で、旅の流れは伝わります。このサイトの見本動画も音声なしです。共有する前の確かめ方は、旅の動画を共有する前の音楽・写真・個人情報チェックにまとめています。
手順7 書き出して、見る場所で確かめる
構成表ができたら、その順番と秒数どおりに、編集アプリで写真を並べ、章の扉と字幕を入れます。アプリの操作は、使うアプリの公式の案内を見てください(このサイトでは各アプリの操作は確認していません)。
- 横長(16:9・例:1920×1080)で、MP4など、見る機器や共有先が受け付ける形式に書き出します。
- 最初から最後まで再生して、長さが予定どおりかを確かめます。切り替えの効果で短くなっていたら、最後のひとことの秒数で調整します。
- 縦長の写真の余白の色がそろっているか、写真が引き伸ばされていないかを見ます。
- 実際に見る画面(テレビなど)で、少し離れた場所から字幕が読めるかを確かめます。
- 曲を付けた場合は、曲の終わりと最後の場面が合っているかを聞きます。
テレビで見る方法(USBメモリなどの記録メディアから再生する、パソコンやスマートフォンからつなぐ・映す、など)と、再生できるファイルの形式は、テレビや機器によって違います。お使いの機器の説明書で確かめてください。
編集アプリの使い方をしっかり身につけたい場合は、アプリの公式の使い方の案内や書籍のほか、オンラインの動画編集講座で学ぶ方法もあります。内容・期間・費用は講座ごとに違うので、申し込む前にそれぞれの公式の案内で確かめてください。
よくある失敗と対処
- 写真を入れすぎて、10分を超えてしまった → 先に長さを決め、手順1の式で枚数を出してから選び直します。章の数は変えずに、各章の似た写真を1枚ずつ減らします。
- 縦長の写真で、左右の大きな余白が何度も出たり消えたりする → 縦長の写真を章の中でまとめて置くか、関連のある2枚を並べて1つの場面にします。余白の色は全体で1色にそろえます。
- 縦長の写真を画面いっぱいに切り抜いたら、顔や建物が切れた → 縦長の写真は、横長の画面いっぱいにすると高さの半分以上が見えなくなります。余白をつけて全体を見せる方法に替えます。
- 途中でどこの場面か分からなくなる → 章の扉に「時間+場所」を短く入れます。扉を入れたくない場合は、章の最初の写真に同じ内容の字幕を付けます。
- 曲が途中で終わる、または写真より先に曲が終わる → 曲の長さを先に確かめて、手順1の式で枚数を逆算します。合わない数秒は、最後のひとことの秒数で調整します。
- テレビで見たら、字幕が小さくて読めない → 字幕を短くして文字を大きくし、画面の端から離して置きます。見る画面で一度確かめてから、仕上げます。
費用のこと
- 構成シートは無料で、ダウンロードに登録は必要ありません。
- 動画編集アプリには、無料で使えるものと、有料の機能やプランがあるものがあります。
- 曲を付ける場合は、音源によって購入や利用料が必要なことがあります。
- テレビで見るために記録メディアやケーブルを用意する場合は、その費用が別にかかります。
- オンラインの講座や書籍で編集を学ぶ場合は、その費用も別にかかります。
どれも、使う前にそれぞれの公式の案内で確認してください。
