サイズは「用途」で見当をつけ、「比率」で決める
旅行写真をプリントするとき、サイズ選びで迷うのは、名前(L判・2L判・ましかく など)だけでは大きさと形が思い浮かびにくいからです。この記事では、次の2段階で決めます。
- 用途で大きさの見当をつける:アルバムに貼るのか、額に入れて飾るのか、ポスターにするのか。
- 写真の比率で最後に決める:写真の縦横の比率に近いサイズを選ぶと、端が切れにくくなります。
ネット注文の流れや、注文前のチェック表は旅行写真をネットでプリント注文するにまとめています。この記事は「どのサイズにするか」を決めるところに絞って説明します。
手順1 写真の比率を調べる
写真の比率は、写真の幅と高さのピクセル数を割り算すると分かります。長いほうの辺を短いほうの辺で割った数(長辺÷短辺)で考えると、縦の写真も横の写真も同じように比べられます。
| 写真の比率 | 長辺÷短辺 | ピクセル数の例 |
|---|---|---|
| 1:1(正方形) | 1.00 | 3024×3024 |
| 4:3 | 1.33 | 4032×3024 |
| 3:2 | 1.50 | 6000×4000 |
| 16:9 | 1.78 | 3840×2160 |
どの比率で撮れているかは、カメラやスマートフォンの機種と設定で変わります。DPE宅配便のQ&Aでは、DSCサイズ(3:4)とLWサイズ(2:3)を、コンパクトデジタルカメラや一眼レフ・ミラーレス一眼カメラの縦横比に合わせたサイズとして説明しています(2026年10月12日時点)。自分の写真がどれに当たるかは、1枚ずつピクセル数を見て確かめるのが確実です。
写真を編集して切り抜いた場合は、元の比率から変わっています。旅行中に正方形や横長に切り抜いた写真が混ざっていないかも見ておきます。
手順2 プリントサイズの比率を知る
おもなプリントサイズの寸法と比率です。寸法はキヤノンの写真用語集と、DPE宅配便の価格ページで2026年10月12日に確認したものです。A判の寸法は規格の値です。
| サイズ | 寸法 | 長辺÷短辺 | 比率の近い写真 |
|---|---|---|---|
| ましかく | 89×89mm | 1.00 | 1:1 |
| ましかく大 | 127×127mm | 1.00 | 1:1 |
| DSC | 89×119mm | 1.34 | 4:3 |
| キャビネ判 | 120×165mm | 1.38 | 4:3 と 3:2 の間 |
| 2L判 | 127×178mm | 1.40 | 4:3 と 3:2 の間 |
| A4・A5 | 210×297mm・148×210mm | 1.41 | 4:3 と 3:2 の間 |
| L判 | 89×127mm | 1.43 | 4:3 と 3:2 の間 |
| はがき | 102×152mm | 1.49 | 3:2 |
| LW | 89×133mm | 1.49 | 3:2 |
| 6PW | 203×305mm | 1.50 | 3:2 |
| 6P | 203×254mm | 1.25 | 5:4 に近い |
よく使われるL判・2L判・A4は、どれも4:3と3:2の中間の比率です。そのため、どちらの比率の写真をプリントしても、少しは端が切れるか、白いフチが出ます。
同じ名前でも寸法が違うことがある「L判」「2L判」などの名前は広く使われていますが、実際に仕上がる寸法やフチの有無は、注文先や機器、用紙によって違うことがあります。DSC・LW・6P などは、注文先によって扱いがなかったり、名前が違ったりします。注文の前に、注文先の案内で寸法を確かめてください。
手順3 どのくらい切れるかを計算する
写真とプリントの比率が違うまま「用紙いっぱい」にプリントすると、はみ出した部分が切れます。切れる量は、次の式で計算できます。
切れる量の計算写真の比率(長辺÷短辺)がプリントより大きいとき:長い辺の方向が、1 −(プリントの比率 ÷ 写真の比率)だけ切れる
写真の比率がプリントより小さいとき:短い辺の方向が、1 −(写真の比率 ÷ プリントの比率)だけ切れる
この式で計算した、切れる量の合計(両端の合計)です。「長」は写真の長い辺の方向(横長の写真なら左右)、「短」は短い辺の方向(横長の写真なら上下)が切れることを表します。
| プリント | 3:2 の写真 | 4:3 の写真 | 1:1 の写真 | 16:9 の写真 |
|---|---|---|---|---|
| L判 | 長 約5% | 短 約7% | 短 約30% | 長 約20% |
| 2L判 | 長 約7% | 短 約5% | 短 約29% | 長 約21% |
| A4 | 長 約6% | 短 約6% | 短 約29% | 長 約20% |
| はがき | ほぼ切れない(1%未満) | 短 約11% | 短 約33% | 長 約16% |
| DSC | 長 約11% | ほぼ切れない(1%未満) | 短 約25% | 長 約25% |
| LW | ほぼ切れない(1%未満) | 短 約11% | 短 約33% | 長 約16% |
| ましかく | 長 約33% | 長 約25% | 切れない | 長 約44% |
この表から、次のことが分かります。
- 4:3 の写真を L判にすると、上下(横長の場合)が合わせて約7%切れます。 人の頭や足元、写真の端に入れた看板の文字が切れやすいのはこのためです。
- 3:2 の写真は、はがき・LWならほとんど切れません。 4:3 の写真は DSC ならほとんど切れません。
- 16:9 の写真は、どのサイズでも15%以上切れます。 横長の景色を全部見せたいときは、白いフチを付けるか、自分で切り抜く範囲を決めます。
- 正方形のましかくサイズは、正方形以外の写真では大きく切れます。 ましかくにしたい写真は、先に自分で正方形に切り抜いておくと、残す範囲を決められます。
計算上の値のほかに、プリントの周りは製造上わずかに切れることがあると、DPE宅配便のQ&Aに書かれています(2026年10月12日時点)。顔や文字は、端から十分内側に置かれた写真を選びます。
切れるのを避ける3つの方法
- 比率の近いサイズにする:4:3 なら DSC、3:2 なら LW やはがきのように選びます。
- 自分で先に切り抜く:プリントサイズと同じ比率に切り抜いてから注文すると、どこを残すかを自分で決められます。
- 白いフチを付けて全体を入れる:切らずに、足りない部分に白いフチを付けます。DPE宅配便では、自動トリミングを「しない」にすると画像は切れず、ほとんどのサイズで天地か左右に白フチが出ると説明されています。白フチの範囲は注文時に確認できないこと、自動トリミングの有無は写真ごとではなく注文全体で選ぶことも書かれています(2026年10月12日時点)。
手順4 用途からサイズを考える
用途ごとの大きさの見当です。最後は、手順1〜3の比率で決めます。
| 用途 | 考えやすいサイズ | 決めるときに見ること |
|---|---|---|
| アルバムやノートに貼る | L判、DSC、LW、ましかく | 台紙やポケットの寸法。1ページに何枚貼るか |
| 机や棚に小さく飾る | L判、2L判、ましかく大 | 額の窓の寸法と、額が対応するプリントのサイズ |
| 壁に飾る | 2L判、6P、6PW、A4 | 額の窓の寸法と、マット(台紙)の有無 |
| 文字と一緒にポスターにする | A4(家で印刷) | 写真の枠の比率と画素数 |
| 人に渡す | L判、はがき、2L判 | 封筒やアルバムに入るか。何枚渡すか |
| 冊子・フォトブックに入れる | 写真プリントではなく、冊子の作り方で決まる | 冊子の写真の枠の比率 |
アルバムに貼る写真
アルバムに貼る写真は、同じサイズでそろえると並べやすくなります。比率の違う写真が混ざるときは、どちらかに切り抜いてからそろえます。アルバムの作り方と、台紙に何枚入るかの計算は旅行アルバムを手作りする方法で説明しています。
額に入れて飾る写真
額に入れるときは、プリントの寸法より先に、額の窓(見える部分)の寸法を確かめます。マット(台紙)付きの額などで窓がプリントより小さいと、プリントの端が隠れます。窓の寸法から逆に、見せたい範囲がどれだけ残るかを考えます。飾り方と額の選び方は旅の写真を部屋に飾るでくわしく説明しています。
A4のポスターにする写真
このサイトのA4旅ポスターのテンプレートは、写真の枠が幅180×高さ205mm(おおよそ7:8の縦長)で、下にタイトル・日付・ひとことが入ります。家庭のプリンターで A4・フチあり・倍率100%で印刷する作りです。
写真の枠は縦長なので、横長の写真を入れると左右が切り落とされます。たとえば 3:2 の横長写真を高さに合わせて入れると、使えるのは幅の約58%です(7:8 = 0.875 を 1.5 で割った計算)。見せたいものが写真の中央付近にある1枚を選びます。
4ページの旅行記に入れる写真
4ページの小さな旅行記は、写真プリントを貼るのではなく、テンプレートに写真を入れて家で印刷する作りです。写真の枠は横長(3:2)が中心で、2ページ目の左下と3ページ目の右下だけが縦長(3:4)です。枠の比率に合わせて写真を選ぶ方法は、旅行写真を1冊にする|4ページの小さな旅行記の作り方で説明しています。
手順5 サイズに必要な画素数を確かめる
小さな写真を大きく引き伸ばすと、ぼやけて見えます。必要な画素数は「長さ(mm)÷25.4×解像度(ppi)」で計算できます。300ppiと200ppiで計算した例です(計算の一例で、標準値ではありません)。
| サイズ | 300ppiで計算 | 200ppiで計算 |
|---|---|---|
| ましかく(89×89mm) | 約1,051×1,051ピクセル | 約701×701ピクセル |
| L判(89×127mm) | 約1,051×1,500ピクセル | 約701×1,000ピクセル |
| 2L判(127×178mm) | 約1,500×2,102ピクセル | 約1,000×1,402ピクセル |
| A5(148×210mm) | 約1,748×2,480ピクセル | 約1,165×1,654ピクセル |
| A4(210×297mm) | 約2,480×3,508ピクセル | 約1,654×2,339ピクセル |
A4の旅ポスターは、写真の枠が180×205mmなので、300ppiで計算すると約2,126×2,421ピクセルです。用紙いっぱいのA4より少なくて済みます。
注文先が目安を出していることもあります。DPE宅配便のQ&Aでは、L・DSC・はがきは130万画素(1280×960ピクセル)以上、2Lは200万画素(1600×1200ピクセル)以上、それより大きいサイズは300万画素(2048×1536ピクセル)以上を挙げています。ご利用方法のページでは、4Pや6Pなどの大きめのサイズに800万画素程の画像を用意するよう書かれていて、ページによって目安の数字が違います(どちらも2026年10月12日時点)。
切り抜いた写真は、切り抜いたあとの画素数で考えます。たとえば 4032×3024 ピクセルの写真を正方形に切り抜くと 3024×3024 ピクセルになり、ましかく(89×89mm)なら300ppiで計算しても足ります。画素数の確かめ方と、足りないときの考え方は、印刷前に確認したい写真の解像度・余白・色で説明しています。
どこで印刷するか
サイズが決まったら、印刷する方法を選びます。選べるサイズは方法ごとに違います。
| 方法 | サイズ選びで気をつけること |
|---|---|
| 家庭のプリンター | 使える用紙サイズはプリンターごとに違います。説明書や製品の案内で、L判・2L判・はがき・A4などに対応しているか、フチなし印刷ができるかを確かめます |
| 店頭(写真店・量販店の受付機など) | 対応サイズと、その日のうちに受け取れるかは店ごとに確かめます |
| コンビニのマルチコピー機 | 写真プリントに対応している機種か、選べるサイズを店頭や公式の案内で確かめます |
| ネット注文 | 選べるサイズが多いことがあります。比率と寸法が案内に書かれているかを見ます |
ネット注文の一例として、DPE宅配便(らくらく写真プリント)で2026年10月12日に確認できたことです。
- サイズは、ましかく・DSC・L・LW・はがき・ましかく大・2L・6P・6PW・4P・4PW の11種類で、どのサイズも1枚から注文できます。
- 公式のQ&Aに、サイズごとの比率の表があります(L 1.42、DSC 1.33、LW 1.5、2L 1.4、6P 1.25 など)。
- 使える画像は JPEG(.jpg、.jpeg)形式です。iPhone の HEIF(.heic)形式の写真は、iPhone・iPad では Safari か iOS アプリ、Mac では Safari を使うと注文できると案内されています。
- 自動トリミングを「する」にすると用紙いっぱいに印刷され、ほとんどのサイズで一部が切れます。「しない」にすると切れずに白フチが出ます。
注文の流れ、注文後の取り消し、送料の扱いは、旅行写真をネットでプリント注文するにまとめています。
よくある失敗と対処
- L判で、人の頭や足が切れていた → 4:3 の写真をL判にすると、短い辺の方向が約7%切れます。DSCのように比率の近いサイズにするか、先にL判の比率(89:127)に切り抜いて、残す範囲を自分で決めます。
- 横長の景色の端が大きく切れた → 16:9 の写真は、L判でも約20%切れます。全体を見せたいときは白いフチを付ける設定にするか、はがき・LWなど比率の近いサイズにして、残りは切り抜きで調整します。
- ましかくにしたら、思った部分が残らなかった → 正方形以外の写真をましかくにすると、25%以上切れます。先に自分で正方形に切り抜いてから注文します。
- 額に入れたら、端が隠れてしまった → 額の窓はプリントより小さいことがあります。窓の寸法を先に測り、見せたいものが窓の内側に収まる写真を選びます。
- A4に大きく印刷したら、ぼやけて見えた → 画素数が足りない可能性があります。元のファイルを使うか、2L判やA5など小さめのサイズにします。
- 同じ「2L判」なのに、前と寸法が違った → 名前が同じでも、注文先や機器で寸法・フチの有無が違うことがあります。注文先の案内で寸法を確かめます。
費用のこと
- 写真プリントの料金は、一般に「1枚の料金 × 枚数 + 送料(+オプション・支払い手数料)」で、サイズが大きいほど1枚の料金は高くなります。
- DPE宅配便の例(税込・2026年10月1日の改定後の価格。2026年10月12日に公式ページで確認):ましかく・DSC・L は1枚18円、LW は19円、はがき・ましかく大は38円、2L は66円、6P は396円、6PW は528円です。送料は配送方法と枚数で変わり、ゆうパケットは29枚以下で275円です。
- 同じ写真でも、L判と6PWでは1枚の料金が大きく違います。大きく飾る1枚だけを大きなサイズにし、アルバム用はL判などにそろえると、費用の見通しが立てやすくなります。
- 家庭のプリンターで印刷する場合は、写真用紙とインクの費用が別にかかり、試し刷りの分も必要です。店頭やコンビニの料金は、店や機器ごとに確かめてください。
- 額やアルバムに入れる場合は、その費用も別にかかります。
