旅ノートは「帰ってから」書く
旅ノートには、旅行中にその場で書く書き方もありますが、この記事では旅行から帰ったあとに書く方法を説明します。
帰ってから書くと、次のよいところがあります。
- 写真の撮影日時や、半券・レシートの日付を見ながら書けるので、日付や順番を確かめられます。
- 旅の全体を見渡してから書くので、「いちばん印象に残ったこと」を選べます。
- 旅行中に書く時間がとれなかった人でも、あとからまとめられます。
一方で、日がたつほど細かいことは思い出しにくくなります。帰った日か、その週のうちに書き始めると、写真だけでは分からないこと(そのとき話したこと、寒かった・暑かったなど)も残せます。
このノートは、そのまま見返すための記録であると同時に、あとで4ページの小さな旅行記やA4の旅ポスターを作るときの材料のメモにもなります。この記事では、作品に移しやすい項目の決め方と書き方に絞ります。短い文章そのものの磨き方は短い旅の文章を書く方法、半券の撮り方やしまい方はチケットの半券を残すで説明しています。
手順1 書く前に、材料を手元に集める
- スマートフォンやカメラの写真を、撮った時間の順に表示できるようにします。旅の写真だけをアルバムやフォルダーにまとめておくと、見返しやすくなります。
- かばんや財布から、半券・レシート・パンフレット・ショップカードなどを全部出します。
- 旅行中にメモやメッセージを残していれば、それも開いておきます(予定を送り合ったメッセージなど)。
- ノートと筆記具を用意します。ノートの大きさや種類は、手元にあるものでかまいません。
材料がそろったら、写真を最初から最後まで一度ながめてから書き始めます。最初に全体を見ておくと、どこで日を区切るか、何を「印象に残った出来事」にするかが決めやすくなります。
手順2 記録の項目を決める
毎回同じ項目を同じ順番で書くと、何を書くか迷わずにすみ、あとで見返すときも探しやすくなります。基本は次の6項目です。
| 項目 | 書くこと | 確かめる材料 | あとで移せる場所 |
|---|---|---|---|
| 日付 | 年月日と曜日。何日目か | 写真の撮影日時、半券の日付 | 旅行記P1の日付、P4の旅の記録、ポスターの日付 |
| 場所 | 行った町・見た場所の名前を、行った順に | 写真、パンフレット、地図 | 旅行記P1のタイトル、P2・P3の見出し |
| 移動 | 何で、どこからどこへ。おおよその時間帯 | 切符・搭乗券の半券、写真 | 旅行記P2の文章(旅の始まり)、P4の旅の記録 |
| 食べたもの | 何を、どこで(お店の種類など) | 料理の写真、レシート | 旅行記P2・P3の文章 |
| 印象に残った出来事 | その日いちばん残したいことを1〜3つ。事実と、そのときの気持ち | 写真、そのとき話したこと | 旅行記の見出し・文章・最後のひとこと、ポスターのひとこと |
| 半券・かけら | 手元に残ったもの。貼るか、何があったかを書く | 半券そのもの、撮った写真 | 旅行記の写真の枠、P4の旅の記録 |
必要に応じて、次の項目を足してもかまいません。
- 一緒に行った人:誰と行ったか。作品を人に渡すときは、名前を書き写すかどうかを考えます。
- 天気・気温の感じ:写真や記憶で確かめられる範囲で。覚えていなければ書きません。
- 次にしたいこと:行けなかった場所、もう一度したいこと。旅行記の最後のひとことの材料になります。
項目を増やしすぎない項目が多いと、1日分を書くのに時間がかかり、途中で止まりやすくなります。最初は6項目だけで書き、足りないと感じた項目を次の旅から足していくと続けやすくなります。
手順3 1日分のページの形を決める
ノートの使い方は自由ですが、1日分を見開き(2ページ)か1ページにまとめると、あとで探しやすくなります。たとえば見開きなら、次のように分けます。
| 場所 | 書くこと |
|---|---|
| 左ページの上 | 日付・何日目か・その日の行き先(1〜2行) |
| 左ページの中ほど | 移動と場所を、時間の順に箇条書き |
| 左ページの下 | 食べたもの |
| 右ページの上 | 印象に残った出来事(1〜3つ) |
| 右ページの下 | 半券やかけらを貼る場所。貼らない場合は、何があったかを書く |
日帰りの旅なら、全体で見開き1つにまとめられます。何日かの旅は、1日ごとに見開きを分けます。最後に1ページ空けて、旅全体の「ひとこと」と「次にしたいこと」を書く場所にすると、旅行記の最後のページの材料がそろいます。
貼る場所を空けておくと、半券を貼るか、撮った写真を印刷して貼るかを、あとで決められます。のりやテープで貼った現物は外しにくくなることがあるので、現物は封筒にしまい、ノートには撮った写真を印刷して貼る方法もあります(チケットの半券を残す)。
手順4 項目ごとに書く
日付・場所・移動:確かめられる事実を、短く
- 日付は、写真の撮影日時か半券で確かめてから書きます。
- 場所は、行った順に並べます。名前を思い出せない場所は「港の近くの食堂」のように、分かる範囲で書きます。
- 移動は「何で・どこから・どこへ」が分かれば十分です。時刻は、半券や写真で確かめられるときだけ書きます。
食べたもの:何を、どこで
料理の名前と、食べた場所の種類(駅の売店、港の食堂など)を書きます。おいしかった・量が多かったなど、短い感想を1つ添えてもかまいません。
印象に残った出来事:事実と気持ちを分ける
この項目が、あとで作品の言葉になります。次の順に書きます。
- 何があったか(事実)を1文で書きます。
- そのとき実際に感じたこと、口に出したことがあれば、1つだけ書きます。思い出せなければ書きません。
- その場面の写真があれば、ファイル名や番号、写真の印象を一言メモしておきます。
覚えていないこと(正確な時刻、天気、店の名前など)を想像で埋めると、あとで作品に書き写したときに事実と違う言葉が残ります。確かめられないことは空欄にするか、「?」を付けておき、あとで写真や半券で確かめられたら書き足します。
半券・かけら:貼るか、何があったかを書く
半券を貼る場合は、名前・予約番号・座席・QRコードなどが見える面を、どう扱うか決めてから貼ります。ノートを人に見せる予定があるなら、それらが見えないように貼るか、ノートには撮った写真を貼ります。貼らない場合は「特急券の半券」「灯台の入場券」のように、何が残っているかだけを書いておきます。
書き方の例
一泊二日の旅の1日目を、6項目で書いた例です。架空の例です。
日付:5月の土曜日(1日目)
場所:海沿いの町の駅 → 坂道の路地 → 港 → 灯台 → 港の食堂 → 坂の上の喫茶店 → 海岸
移動:朝いちばんの電車で出発。駅から港までは歩いた。
食べたもの:港の食堂で海鮮丼。喫茶店でコーヒー。
印象に残った出来事:①電車の窓から海が見えた。うれしかった。②灯台の上から港が全部見えた。③日が沈むまで海岸に座っていた。夕方の港がいちばん好きだった。
半券・かけら:電車の切符の半券、灯台の入場券、海岸で拾った貝がら(封筒に入れた)
同じ日を、まとまりなく書いた場合と比べてみます。
書き直す前:朝早く出て海の町へ。いろいろ回ってすごく楽しかった!ごはんもおいしかったし最高の1日でした。たぶん夕方6時ごろ海岸に行った気がする。
書き直したあと:(場所)駅 → 路地 → 港 → 灯台 → 食堂 → 喫茶店 → 海岸/(食べたもの)港の食堂で海鮮丼/(出来事)日が沈むまで海岸に座っていた。夕方の港がいちばん好きだった。
書き直したあとは、「いろいろ」「すごく」のような言葉の代わりに、行った場所と食べたものが残っています。「たぶん夕方6時ごろ」は確かめられないので、時刻を書かずに「日が沈むまで」としています。
手順5 ノートから作品に書き写す
ノートができたら、作品を作るときは、項目ごとに次の場所へ書き写します。
| ノートの項目 | 4ページの小さな旅行記 | A4旅ポスター |
|---|---|---|
| 日付 | P1の日付(任意)、P4の旅の記録 | 日付(任意) |
| 場所 | P1の旅のタイトル(行き先)、P2・P3の見出し | 旅のタイトル |
| 移動 | P2の文章、P4の旅の記録 | ― |
| 食べたもの | P2・P3の文章 | ― |
| 印象に残った出来事 | P2・P3の見出しと文章、P4のひとこと | ひとこと(任意) |
| 半券・かけら | P2・P3の写真の枠(並べて撮った1枚)、P4の旅の記録 | ― |
旅行記は「旅の前半(P2)」と「旅の後半(P3)」に分かれていて、「1日目・2日目」の区切りはありません。何日かの旅は、ノートの日付の区切りとは別に、前半と後半に分け直して書き写します。
旅行記の文字の欄には、入る量の目安があります(枠の大きさと文字の大きさからの計算)。
| 書き写す場所 | 長さの目安 |
|---|---|
| 旅行記P2・P3の見出し | 10文字前後 |
| 旅行記P2・P3の文章 | 2〜3文(1行20字くらいで6行ほどまで) |
| 旅行記P4のひとこと | 1行25字くらいで2行まで |
| 旅行記P4の旅の記録(任意) | 4行ほどまで |
| ポスターのひとこと(任意) | 1行40字くらいで2行まで |
書き方の例のノートから書き写すと、たとえば次のようになります。これも架空の例です。
P2の見出し:朝の電車で、海へ
P2の文章:朝いちばんの電車で出発。窓の外に海が見えたときは、うれしかった。駅から港までは歩いた。
P4の旅の記録:5月の週末|一泊二日/朝いちばんの電車で海の町へ/灯台、港の食堂、坂の上の喫茶店
ポスターのひとこと:夕方の港が、いちばん好きだった。
ノートの「印象に残った出来事」に書いた事実と気持ちだけで、見出し・文章・ひとことができています。長さを整える方法は短い旅の文章を書く方法で、テンプレートへの入れ方は旅行写真を1冊にする|4ページの小さな旅行記の作り方で説明しています。テンプレートは4ページの小さな旅行記とA4旅ポスターから無料でダウンロードできます。
ノートの「印象に残った出来事」を5つまで選んで旅の構成メモに入力すると、旅行記(4ページ)・ポスター・30秒動画の構成メモに並べ替えられます。入力にない出来事が足されることはなく、入力した内容は送信・保存されません。
人に渡す作品に書き写すときはノートは自分用の記録なので、名前・宿の名前・部屋番号・予約番号などを書いていることがあります。旅行記やポスターに書き写すときは、人に見られてもよい内容かを確かめ、必要のないものは書き写しません。外部のAIサービスで文章の下書きを作るときも、ノートの内容をそのまま貼り付けず、これらを除いてから使います(文章づくりのプロンプト)。
よくある失敗と対処
- 帰ってから日がたち、何を書けばいいか分からない → 写真を撮った時間の順に見ながら、日付・場所・移動だけを先に埋めます。事実の項目が埋まると、出来事も思い出しやすくなります。
- 覚えていないことを、想像で書いてしまう → 確かめられないことは空欄にするか「?」を付けます。作品に書き写すのは、確かめられたことだけにします。
- 感想ばかりで、何があったかが残っていない → 「印象に残った出来事」は、事実を1文書いてから、気持ちを1つだけ足します。
- 1日目のノートだけ書いて、続きが止まる → 項目を6つに絞り、1日分を見開き1つまでにします。全部を書けない日は、場所と印象に残った出来事だけでも書きます。
- ノートに貼った半券に、名前や予約番号が見えている → 人に見せるノートなら、その面が見えないように貼り直すか、隠した写真を印刷して貼ります。
- ノートの日の区切りのまま旅行記に移そうとして、ページに収まらない → 旅行記は前半・後半の2ページなので、日付ではなく旅の流れで2つに分け直します。
費用のこと
- テンプレートと旅の構成メモは無料で、登録は必要ありません。
- ノートや筆記具は、手元にあるもので始められます。新しく買う場合は、その費用がかかります。
- 写真を印刷してノートに貼る場合や、作品を家で印刷する場合は、用紙代とインク代が別にかかります。金額はプリンターや用紙によって違います。
